『追悼・一原有徳展 ヒラケゴマ』展へ。

ドライブ購入後は武蔵野市立吉祥寺美術館へ。

6時半ごろに入ったのですが、俺を含めて客は3人ほどしかおらず、一人は帰りがけ、もう一人は俺が帰りがけのときに見た程度なので、実質ひとり占め状態でした。休日でも夕方からは人が少なくなるものですね。



現在の企画展示は「追悼・一原有徳展 ヒラケゴマ」です。

異色・異才の遅咲き版画家である一原有徳。その表現手法は「1回限りの転写によるモノタイプ版画や、金属を様々な道具・薬品で加工する凹版の実験を繰り返すことにより、荒々しいマチエールや無機質な美しさを持つ力強い作品」です。

木版画とは違う、金属独特の表情がとても面白かったです。吉祥寺美術館の常設である浜口陽三の銅版画、荻原英雄の木版画とはまた違って。浜口さんの作品は上品な感じがしますが、一原さんの作品は金属そのものをいかに変質させるかに注力していて。金属を腐食させる手法自体が面白かったし、金属の自然な部分やディテールが見れるのがよかった。


ポストカードを撮影したもの


なにより、建築とか都市とか大きなスケールに変換して見えてくるのが面白い。一原さんの作品が表紙に使われた建築文化が4冊展示してあって、彰国社の人に何を思って一原さんに表紙デザインを頼んだのかを聞いてみたい。多分、俺と同じようにどこかに建築のスケールを感じるところがあったのだと思うんだけどな。