大使館邸として選ばれるほど。

先日、旧渡辺甚吉邸(旧スリランカ大使館邸)へ行ってきましたー。

渡辺邸→スリランカ大使館邸→持主不明となった建物です。


参考にさせていただいたブログの記事です↓
旧渡辺甚吉邸(旧スリランカ大使館邸) - 建築ノスタルジア



設計・遠藤健三で、照明とインテリアの設計を今和次郎が担当しています。今和次郎に誘惑されて行ったんですが、これまで全然知らなかったのです。。。参考にさせてもらった中にもありますが、今和次郎が関わった建築自体が少ないので貴重な建築であるとは思います。

もちろん住宅なので、中には入れないので外観しか見ることが出来ませんでしたが、参考ブログにもありますが、『日本タイル博物誌』では内観の写真を見ることが出来るようです。『総覧 日本の建築3 東京』は学校にあったので見てみましたがそちらには簡単な説明が載っていました。



設計者の遠藤健三と今和次郎との関係は、今和次郎の教え子ということになります。早稲田時代の教え子ですが、研究していく中で彼らの接点はまだはっきりとは見えてません。和次郎は自身の設計において、手伝いを学生に任せたり、卒業生の設計事務所に製図を頼んだりしています。上野伊三郎や竹内芳太郎、最近判明したのは内井昭蔵とも関わりがあるようです。

というか早稲田の教授なんだから当然といえば当然ですが。建築の本流には位置していないけれど、合理主義とか機能主義とは別の視点に立っている建築家との交流が多いかな。建築的な言語で言えば、それらの各種主義ではなくて中世主義をモットーにしている建築家。もともと今和次郎はジョン・ラスキンの影響を受けているので、そっち側によっているのだとは思うけど。

この渡辺邸は、1934年に竣工したみたいなので、時代的にはモダニズムへ移行していく中にあった建築といえます。例えばサヴォア低は5年ほど前に建っているし。そんな中で、この建物はかなり伝統的な構法を取っていると思います。チューダー様式というか、思いっきりハーフ・ティンバーが使われていて、この時代にそれを用いるというのはむしろ「あめりか屋」を彷彿とさせる?のかなって思いました。機会があって、渡辺邸の内観写真を見ることができたんですけど、モダニズムとか近代なんていう言葉とは真逆の建物でした。


装飾いっぱい。


中に入ってみたいなぁ。


11月8日追記
リンク先の建築ノスタルジアさんの方でも修正がありましたが、当ブログにもコメントをいただいたwkumさん(渡辺甚吉氏の御子孫の方)によると建物は現在も渡辺家の所有であるそうです。建物の経緯はわかりませんがアメリカに接収されたことがあるようなので、詳しいことは建築ノスタルジアさんのコメント欄をご覧ください。