建築と完全な娯楽。
- 出版社/メーカー: 三才ブックス
- 発売日: 2011/06/17
- メディア: 大型本
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普通に面白い。というより、俺が知っている雑誌の中では一番面白いものだと思っている。建築とか場所を娯楽として取り扱っていることが素敵です。
読んで楽しむ小説や、見て楽しむドラマや映画、聞いて楽しむ音楽、やって楽しむスポーツ。ワンダーJAPANは、これらと完全に同じ目線で建築を見て楽しむ精神が見て取れる。
正直、創刊号が発売されたのを見たときには「うわ、ゲテモノ。。。」と思ってました。建築を学んでいるのに、こんな俗っぽいものを見ても何の足しにもならない、見る気も起きないように思っていました。
けど、なんだろうな。自分自身の生き方とか、建築の見方とか、今和次郎イズムを受入れたからとか、俺の中でいろーんな要素が混じることで、ワンダーJAPANのスタンスが素晴らしいことに気づいてしまったのね。「ゲテモノいいじゃん」とか、「建築史で語りづらいじゃん」とか、「日光東照宮の血筋じゃん」とか、「え……な…なにこれ……」とか、一般の建築では味わえない感情が得られるのが凄いなと思います。
建築を見て、それだけで純粋に楽しめるなんてそうないです。建築家の存在や建築に関する前提知識がなくても楽しめるなんて。
もちろん藤森さんの路上観察学会であったり、アトリエ・ワンのメイド・イン・トーキョーであったり、建築学の領域から外れたものを建築学へ寄せていく試みもあるけれど、そうじゃないんです。そっちじゃないんです。
ワンダーJAPANが取り上げるのは、建築家の試みからも外れた「建築」と呼べるかすら怪しいものであって、民俗学に近いものを感じます。だって、宗教建築とか山間の怪しい博物館とか建築家が設計したいとは到底思えないようなものばかりだしね。
学問として成立していないけど、変な建物を集めてるってところがイイんです。スタンスが考現学とか白茅会に似ていてイイんです。都市とともに地方に対する目線が強いのも素敵なんです。
今度、「不思議な建築100」で特集されていた建築で、見たことがあるかどうかをチェックしてみる。○☓でやってみよ。