知識不足。

久々に建築についてまともに。

学校の図書館で見つけた本を読んで感じたことについて。

読んだ本は上野千鶴子著の「家族を容れるハコ 家族を超えるハコ」というもの。

内容は社会学者の視点で見た家族のあり方、建築のあり方みたいな感じで、著者自身の論文と他者(社会学者や建築家)との対談で構成されてます。隈研吾山本理顕との対談がありました。

まだ全て読み終えてないけどその中から印象に残った文章を取り上げていろいろと考えてみようと思う。


  • 住居単位の最小単位が家族ではなくなっている。

nLDKという一般的な概念が通用しない家族形態が多いが、一般的な近代家族の形態とは夫婦に子供が何人かいるもので、nとは家族の人数−1という数が入る。では何故家族の人数から1つ少なくしなければならないのか。
それは夫婦の寝室が同じでなくてはならない、一緒に寝るべきであると考えられてきたから。一緒の部屋で寝るということはただ寝るだけではなく、性の意味から考えられる"寝る"こともしなければならない、そうするために一緒の部屋で寝るのが当たり前だと考えられてきた。
だが現在、夫婦別寝は選択肢のひとつとして多く取り入られている。その原因には、単なる夫婦間の関係の悪化だけでなく、共働きの場合に働いて帰ってくる時間、寝る時間が違うときに起こされたくないとか、自分の時間が欲しいとかいろんな要求がある。また夫婦間だけでなく、親と子の関係にも変化がある。友達のように接したり、全く喋らない、コミニュケーションをとらないといったように。
理念的な近代家族は虚構でしかなく、現実の家族・生活とはかけ離れたもの。家族の規範そのものが空間の位相に及ぶまでになっている。家族や住居という化けの皮を着てたけど中身は何にも無かった。それを剥いだらそこにいた人たちは何にもつながりが無いからバラバラに崩壊してしまう。家族というものはバラバラの個人が家族とか住居というユニットに集まっていただけなんじゃないか。だから居住単位の最小単位は個人、もしくはまた違った単位(今は個人しか思いつかないけど)であると言えるのではないかと。だが、どんな時代でも家族・血縁関係にある人同士の思い入れ・繋がりは大きくあるだろうし、そうあるべきだと考えられていくと思う。


  • インディビジュアル・コモン・パブリック

この本読むまでは後ろの2つの言葉はあんまり違いがわかりませんでした。
個室のイメージとしてベッドがあって、机があって、サニタリーがあってとやろうと思えばそこで全ての生活をする事が可能なほどに自立性が高いと思う。全てを個室で完結させる事ができるならば、リビングやダイニングを取る必要もそこで行われる会話なんかもなくてイイってコトになる。てゆーか本当に全てがそこで行われるのならそれは個室の大きさの住居だし。だからコモンスペースは必要であり、キッチンや風呂など共有する機能・装置が取られる。というコトは個室の外は全てコモンでありコモンに依存するというコトである、住居内にも関わらず。
コモンに何を依存するか。対談の中では「食」「性」「育児」「介護」がコモンで行われるべきコト、コモンに集まる理由であると言っている。コレ読んでて「それしかないのかよ・・・」と思いました・・・笑
自立性がある成人だけの社会・コミニュティだったら何も残らないけど、実際の生活を営んでいく上で子供を生まないとしてもいつかは年をとり誰かの手を借りなければ生きていく事が困難になる。だから全ての人間が自立していたとしてもコミニュケーションを取る場は絶対に必要である、それがコモンに集まる力となる。
そこからインディビジュアルとコモン、コモンとパブリック、インディビジュアルとパブリックという全ての関係性が成り立たなければならない、と語ってます。



なるべく理解したつもりだけど全然まとまってない・・・笑


あと、フレーズで気になったのは、

物理的接近で人は仲良くなるコトはありえない。

物理的接近が個体距離の限界を超すと避け合いが始まる。

家の中に居ても外に居ても対人距離が同じ。これは違う本から。

コモンが常に同じ機能である必要は無い。曜日ごと、時間ごとに機能が変わっていい。

「障害者用の建物」という住居があったが障害者には”一般”はない。手が不自由といっても右手と左手の違いがあるし、車椅子の人もいれば上半身が不自由な人もいる。




全部読んでないからとりあえずこんな感じ。まだタメになるお話しがあるかな。


しかし・・・建築の本を読んでて「セックス」という単語がこんなに出てくるなんて・・・笑

隈さんの対談はセックスばっかり出てきてた気がする笑


でもすっごく興味深かった。

建築ってのは建物そのもののコトじゃなくて、そこにヒトがいるからこそ建築として成立するんだなぁって。

そんなこと考えて課題に取り組んでなかったな。