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展覧会を2つ見てきましたー。



建築家 坂倉準三展 モダニズムを住む 住宅、家具、デザイン JUNZO SAKAKURA, Architect



アイ・ウェイウェイ展 何に因って?



坂倉さんの立場は、前川さんと同様のモダニズム建築を目指す人かと思っていましたが、少し考えが変わりました。

これは坂倉さんの建築を見る機会が、鎌倉にある神奈川県立近代美術館しかなかったからだと思います。

日本建築に属する所から、コルビュジェに師事していく過程でモダニズムに傾倒していったのかなと。


印象に残ったのは、大きな扉。

実寸(実物)だったし、それと同じ程度の写真が呼応していて、面白いなぁと。

家具類の展示もありましたね。





アイ・ウェイウェイは、建築ノートでの特集とオルドス100で知っていました。

オルドス100は、ヘルツォーグとの共同プロジェクトとして、マネージメントとして面白いコトをしてる人だなぁと。

建築ノートでは、石を素材として上手く使った建築で印象に残っていました。



撮影OKでしたので、何枚か載せて頂きます。

パンフにも書いてありますが「基礎的な形体とボリューム」という文章が心に残ってます。

何かを感じさせる為には、ある程度の質量を持ったものでないといけない。

リアリティを持つためには、大きさが必要。


と、俺は捉えたんですが。


写真でもわかるように、スケールが大きいものが多いです。

ですが、使われている材料や対象とするものは、とても身近なものです。

お茶の葉や、リュックサック、自転車。(中国の)街角や、建物の廃材。



何でもないものを集積する、組み合わせる。

圧倒的な量を反復する、繰り返す。

その行程が普遍的なものになっている場合に、大きな力になる。

それは社会的通念に通じるもので、展示からはそうした暗黙知を表現しているように感じた。





展覧会を見終えて、思い出したのはレム・コールハースアトリエ・ワンの塚本さんの言葉です。

現代では「大きさ」や「量」といった「ビッグネス」と呼ばれるようなものが、都市や建築を捉えるものになっていくということ。


現代はとても多くの行動があり、分析しようとしても難しい。ひとつの側面からでは、全てを理解することができない。

ヴォリュームとして捉えることでのみ、社会全体を理解することが出来るという。

それは決して深層まで理解することは出来ないけれど、全体を広く浅く、表層を理解することができる。





社会的通念としての“らしさ”みたいのを表現し理解するために、ヴォリュームというものがひとつのキーだってのは確かに感じる。